続・インターネット速度のお話

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こんにちは。クリーチャースタッフの杉田です。

前回の記事で、日本オフィスのインターネット回線をフレッツ ギガ光からNURO光に変えた結果、約106MB/sでデータのダウンロードができるようになったと書きました。これは事実なのですが、実際の運用面ではそうとは限らない側面もあるのです。今回はその「違う側面」について、より詳しく書いていきます。

106MB/sというのは、NURO光に変えたことで平均的に出るようになった最大の転送速度です。しかし、お客様から送っていただいたデータ転送サービス(Dropboxやfirestorage等)のURLから中身をダウンロードしようとすると、多くの場合106MB/sではダウンロードができません。なぜでしょうか?

これには大きく分けて2つの原因があります。

1つ目は、ダウンロードしたいデータがアップロードされたサーバー=大元のサーバーが、自分と物理的に離れた場所に置いてあること。どのくらい離れた場所にあるかによって、速度の減少幅も変化します。日本から、国内に置いてあるサーバーと海外に置いてあるサーバーにアクセスするのとでは、大きな差が出ます。遠いところまでデータを拾いにいかなければならないのですから、近いところよりも時間がかかるのは当然と言えます。

2つ目は、大元のサーバーが一人当たりのアクセスに許可している速度。各社のサーバーには世界中からたくさんの人がアクセスするので、一人当たりにある程度の速度制限をかけている場合がほとんどです。例えば本来1000MB/sでデータ転送を行えるサーバーでも、誰か一人にその速度でサービス提供をするのではなく、一人当たりに10MB/sという速度制限を設けることで、同時に100人にサービスを提供できるようにしています。

上記を踏まえた上でクリーチャーが日本在住のお客様にデータをお送りする際に普段から使用しているサービスが「ixMark」。数あるデータ転送サービスの中から、栗山自らが速度検証して見つけたサービスです。サーバーは日本国内にあるため、弊社日本オフィス又日本在住のお客様からの物理的な距離も近く、速度制限も他サービスと比べて緩和です。データに個別にパスワードをかけて共有することもでき、セキュリティ面でも安心です。

一方、栗山がNYにいる今、弊社では日本〜アメリカ間のデータのやり取りが必須になっています。先に書いたようにixMarkは日本にのみサーバーを置いているサービスなので、国を越えてのNYからのデータダウンロードはどうしても遅くなってしまいます。
そこで使用しているのが「Amazon S3」というサービスです。(ネットショッピングで有名なAmazonですが、実はインターネット関連のサービスも多数提供しており、近年その分野で急成長を遂げているのです。)S3では、Amazonが世界中に置くサーバーの中から自分の好きな地域のサーバーを選んで使うことができます。しかも、速度制限もixMarkより更に緩和。加えて、国を越えたサーバー間のやり取りを自動でやってくれるよう設定することができるのも強み!つまり、NYからアメリカ地域のサーバーにデータをアップロードすると、日本地域のサーバーにAmazonが自動でコピーをしてくれるのです。NYからアメリカサーバーへは、同じ国内の通信なので速い。日本から日本サーバーへのアクセスも、同じ国内なので速いし、ixMarkより速い。アメリカサーバーと日本サーバーのやり取りは本来なら時間がかかるけど、S3なら自動でお任せ。しかもAmazonサーバー間同士の通信はなぜか速く、サーバー間コピーも割とすぐに完了します。

ここで、「速度もixMarkより速くて国際間のデータのやり取りも便利なら、日本での取引先とのやり取りにもS3を使えば良いのでは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。そうしない理由、つまりS3の難点は、データにパスワードをかけたり、ファイル別に共有ができないこと。1つアカウントを作り、そこにデータをどんどんアップロードしていく形(ファイルの個別共有ができないDropboxのようなイメージ)なので、お客様とのデータのやり取りにはあまり向きません。そういった利便性も考慮し、日本での外部とのやり取りにはixMarkを利用しているのです。

 

以上、2回に渡ってインターネット速度諸々のお話をさせていただきました。
次回は、このブログを始めた理由の1つでもあるスタッフ紹介の第1弾でもできたら良いなと思っています。

 

「S3でパスワードをかけたり個別共有ができるようになるプログラム、誰か作ってくれないかなぁ。」by栗山